タイで就職した先で…不当な扱いや不当解雇をされない為には どうすればいいの?(労働者保護法)

クビ、解雇、

 

 タイで働いている会社に突然 解雇を言い渡され、それが まったく身に覚えのない『不当解雇』だった場合にはどうすればいいのでしょうか。入社時期にどんなことを注意しておいたらいいのでしょうか?

 

 タイで働く人の中には、現地採用にて就職した方、日本から派遣会社を通してタイへ派遣された方、駐在員の方もいらっしゃいますが、就職のスタイルとは関係なしに、突然、会社から解雇を告げられる方もいます。いつも、くどくど契約書と言ってしまいますが、それが不当な扱いだった場合にも、タイでは『雇用契約書』が手元にあることが重要になってきます。

 

日本からタイへ派遣されてきた方は、「日本で派遣会社と契約を結びました」とか、駐在の方は、「日本の本社とだけ契約しています」などと言いますが、そうではなく、万が一のために、タイで所在している会社の会社規則やタイの法律に則した契約をしっかりと結んで欲しいのです。

 

  • 雇用契約書の内容をしっかり確認したか?
  • 就職した(タイへ派遣された)際に、雇用契約に双方がサインをしたか?
  • 面接時(内定時)や派遣時に双方で決めた条件と契約内容が合致しているか?

   当たり前のようなことですが、上記の事項をしっかり確認して欲しいのです。

 

 

…と言うのも、労働問題や不当解雇で当事務所に法律相談に訪れる人の多くに、『双方で決定した雇用契約内容が書かれていない』ことや、『サインはしたけど、雇用契約書が手元にない』ケースが、多く見受けられるのです。中には、「雇用契約書なんて、1度も見たことがありません」なんて方もいます。

 

企業側も『雇用契約書』の準備は義務付けられていますが、中には、会社がタイへ進出したばかりで、まだまだ内部の管理が行き届いていなかったり、タイの労働者保護法に無知の場合もあります。

 

そのような事情から契約書が用意されてない、または「最初から悪気があったわけじゃないけど、解雇したいから解雇しただけ」という結論にも繋がるのです。そんな企業(経営者)は知らなかったからいいのかと言えば、そうもいかず、後々解雇した従業員から『解雇補償金』を請求されてしまうケースもあります。しかし、それと真逆に、最初から意図的に悪意を持って「使えるだけ使ったら従業員を切り捨てるつもりでいた」という不当解雇を予め企んでいる企業(経営者)も少なからずタイには存在するようです。

 

 

 『雇用契約書が無い』に続いてよくあるのが、入社して数か月経つが『ビジネスビザとワークパーミットが支給されない』というケースです。

 

そこに悪意があるのかないのかは分かりませんが、「試用期間は、まだ、就労ビザやワークパーミットを支給しなくてもよい」との企業側の認識や、新しく迎えた従業員を「この企業の正社員にするかしないかは検討中(試用期間)だし、就労ビザやワークパーミットの申請は手間や経費が掛かるのだから、正社員になったら支給すればいいだろう」と考えている企業も少なからずあるようです。しかし、企業側は試用期間であろうとも、就労ビザとワークパーミットを従業員に支給しなくてはならない義務があります。

 

ブラックカンパニーと呼ばれる様な悪徳企業になると、3, 4ヵ月の試用期間だけ雇用し、『最初から解雇予定なのだから、当然、就労ビザもワークパーミットも支給する気がない』というケースで、3, 4か月おきに解雇する若しくは自主退社させて使いまわしにしている場合もあるようです。

 

 

 また、会社とのトラブル相談の中で、タイで日本人雇用をする場合には『最低賃金は5万バーツ』ということについて、「自分の給与はそれに満たないので違法です!」といった方がいますが、実際、雇用契約書を確認させてもらうと、5万バーツ以下の給与で雇用契約を結び、不思議なことに 入社日から既に長い月日が経ってしまっていたりします。

 

これは、企業側が違法かと言えば違法です。あえてここで、企業側の味方をするのではありませんが、タイや日本に限らず世の中の法律には追及されやすいものとそうでないものが存在します。上記の「日本人の最低賃金」なんかは、会社(経営者)は、従業員には5万バーツに満たない給与しか払っていなくとも、5万バーツの給与を支払っていることを前提に、その額に対してタイ国に源泉徴収税額を収めていたりするのです。それによって税徴収側は満足、双方の暗黙の了解みたいなものが出来上がってしうからなのでしょうか?よっぽど誰かが騒ぎ立てた場合はどうなのかは分かりませんが、実際は、通常それほど追及されていません。

 

ですので、率直に言ってしまえば、働く側は、就職段階で給与や報酬額が納得いっていない場合、最初からその会社で働かなければいいのです。雇用契約書にもサインをしてしまい、入社して散々働いて月日が経ってしまってから「違法だ!違法だ!」と騒ぎ立てても拉致があきません。例え、会社側が「〇か月後には、給与を5万バーツに上げる」と口頭で約束していたとしても、契約書にその記載がされてなければ、ただの口約束でしかないのです。

 

 

 その他、不当解雇を受ける際に、タイでよくあるトラブルを下記に10例 挙げてみました。

  1. 意図的に給与が支払われない(数か月分に渡る場合もある)
  2. 深夜に及ぶまでの残業をさせ、残業代は一切支払わない
  3. 解雇補償金を払うと言って自主退社させておきながら、一銭も払わない
  4. やたらと早退や休暇を進めた上で、後々、無断欠勤を理由に解雇してくる
  5. 正社員の契約と思っていたら、散々、時間が経ってからアルバイトと告げられる
  6. 解雇補償金を支払わない(辞めさせる対象が悪いと不当の理由で解雇される)
  7. 会社側が不当解雇に当たらない様に都合のいい「解雇通知」を作成してきてサインを強要する
  8. 1か月前の事前告知がないまま解雇し補償もしない(収入の見通しがいきなり絶たれる)
  9. 不当解雇で訴えられない様に辞めさせる対象を脅す(事実無根の不正を警察訴えるなどと言う)
  10. 知らないうちに就労ビザやワークパーミットがキャンセルされる(オーバーステイになることも)

   他にも様々な事例が挙がってきていますが、ざっと上記の様な内容が多いです。

 

 

【法的措置を取りたい場合どうすればいいか?】

 

 そして、不当な扱いを受けた方が、会社へ解雇補償金等の請求を掛ける場合には、証拠を取り揃えて早急に対応していくことが大切です。また、タイの労働者保護法及び解雇手当金等に関する法律は、働く側だけでなく。雇用する側の企業も、問題を事前に防ぐためによく熟知しておく方が良いでしょう。「タイのビジネス経済ハンドブック」 で『労働者保護法』についての詳細が確認できます。

 

では、実際に働いていた企業から不当解雇や不当な扱いを受けた場合はどうすればいいかと言えば、労働省へ申し立てをするか労働裁判にて問題解決することになります。各管轄の労働省の窓口は、バンコク都内には全部で10か所ありますが、働いていた会社の住所管轄の労働省の窓口に出向いて申し立てを行う必要があります。

 

 

【不当解雇・ワークパーミット等のトラブルについての問い合わせ先】

 ※労働省へ電話で問い合わせをする場合の相談総合窓口の電話番号と手順は下記参照。

 

 「電話番号 1506」に掛けるとアナウンスが流れるので、英語で話したい場合は「9」の後「3」を押すとオペレーターに繋がります。

 

また、下記の労働省のホームページを開くと「各労働問題の相談」がメールフォームを使って相談することができます。しかし、労働省から相談内容への回答は届いても、訴えを提出するためには、労働省のオフィスへ出向く必要があります。労働省のホームページ自体は、英語の切り替えボタンついているものの、相談フォームの各相談項目はタイ語のみで記載されているので、ご自分でタイ語が読めるか知り合いのタイ人に手伝ってでも貰わないと不便かもしれません。

 

   労働省への労働問題の相談フォーム(タイ語のみ)

 

実際に訴えの申し立てをしたいという場合は、直接、会社の所在地を管轄とする労働省のオフィスへ出向むき諸事情を伝えて申し立てを行うことになります(証拠書面もタイ語へ翻訳して提出)。また、労働省の窓口を通しての申し立ては、タイ国で定められた 労働者保護法に基づく解雇補償金等の基本的なものだけとなります。

 

 

【入国管理局 就労ビザやその他の違法行為に関する申し立て先】

 

また、ビジネスビザ関連や違法行為ついての訴えがある場合は、下記の「入国管理局お問合せフォーム」より申し立てができます。フォーム画面「コンタクト」は、上から6番目の「違法行為に対しての訴え:แจ้งเบาะแสการกระทำผิด」を選択。 入国管理局のコンタクトフォーム 

 

 

Immigration Office 住所 電話番号:1178 

Address: 507 Soi Suanplu, Tungmahamek, Sathorn, Bangkok 10120 

Tel .: 0-2287-3101  Fax: 0-2287-1516, 0-2287-1310

 

 

【労働裁判にて申し立てを行う】

 

 その他、解雇補償金に伴い損害賠償も含めて請求する場合は、労働裁判で争うことになりますが、例えば、不当解雇をされた会社のために、日本からタイへ渡航してきた場合の渡航費や引っ越し代、借りたコンドミニアムの契約期間が残っていて保証金が戻らない場合。また、家族を一緒にタイへ赴任させている場合などは、家族全員の帰国渡航費や子供の学校のことなども含めると更に深刻で損害が大きくなります。万が一、すべて個人持ち出しの経費だった場合は莫大な金額になります。

 

また、事前告知なしにいきなり解雇を告げられたり、予告なしに会社都合で就労ビザやワークパーミットをキャンセルされてしまった場合は、余儀無くタイの周辺諸国に出るかして、観光ビザ等で戻ってこなければならないということも生じ、渡航費用等の無駄な経費も出費となります。知らない間にオーバーステイになってしまっている場合などは、タイ出国時にその罰金も発生してしまいます。

 

 

 このように、損害賠償を併せて請求したい場合は労働裁判にて請求をしていきますが、例えば、会社側が不当解雇を認めている場合や、賠償請求に対して支払う意思を見せ和解を求めている場合などは、話し合いにて解決できる余地があるとも言えるでしょう。

 

交渉での解決の場合は、ある程度の譲歩は必要かもしれませんが、早めの示談で解決ができるのなら、長期に渡るストレスを感じることなく、次の新しい生活に早めに目を向けられるのかもしれません。

 

 タイの労働問題や解雇案件に関するお問合せ・ご相談承ります。 091-068-8203 まで日本語でどうぞ。