バンコクの日本人宴会の場に詐欺師 現れる

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日本では、ちょっと考えられない巧みな宴会詐欺にご注意!


タイには、ご存知の通り日本人が経営する日本式の居酒屋が数多くあります。しかし、その大部分の店の従業員はタイ人が圧倒的に多いですね。中には日本語が上手なタイ人も働いています。
 

日本人が多く住んでいる通りにある日本人経営の居酒屋での巧みな詐欺事件の実例をご紹介しましょう。「騙された」と分かった時には、ある種のトリックに遭ったような変な驚きと、巧みな手口に感動すら覚えるような出来事です。

 

 

タイの居酒屋で起きたお会計詐欺とは

 

サッカー仲間が30人ほど集まって、とある居酒屋の2階の宴会場で飲み会をやっていた時のことです。飲み会の会場には、居酒屋のタイ人の従業員がサービスをしてくれていましたが、途中からタイ人男性が店の横にある外から出入るできる階段を上って入ってきて、ビールの追加をタイ人従業員に指示したり、日本人から注文を取ったりして積極的に動き回るようになりました。

 

その男は日本語が上手だったので、とても助かったのは日本人だけでなく、タイ人従業員も同様だったようです。誰だって、日本語で注文したり、色々な要求が日本語で出来れば楽ですよね。
 
飲み会のお開きとなるところで、幹事が「店に清算をしに行く」と言ったその瞬間、そのタイ人男性が階段を下りて行って、しばらくすると戻ってきました。「1人当たり、1,000バーツ」とキレの良い金額を言って、「私が集めてあげます」と、全員から徴収を始めました。何と親切な!
 
初めから決まったコースでもなく、そんなに丁度ぴったりの金額になる訳はないので、ここで気が付けば良かったのですが、
 
みんな、この「親切な店員さん?」にお金を渡し終わった後、暫くすると下から日本人店長が上がって来て、「XXXXXバーツ」と請求書を持ってきたのですが、その時、全員顔面蒼白!

 

暫く呆然としていましたが、やっと我に返って騙されたことが分かりました。

 

いくら支払い済みだということをいくら説明しても、当然、店長は理解してくれず、というより納得しません。当然、出入り自由な階段があること、タイ人従業員もいたのに、詐欺師だと気が付かなかったことは店の責任だと認めましたが、料金は支払って欲しいとのことでした。

 

とうとう喧嘩腰となり、近くのトンロー警察へ出向くことになったのです。警察では、証拠がないので取り扱ってもらえず、弁護士を呼ぼうかとも思いましたが、その時、弁護士をどうやって呼んだらいいかもわからず、結局は、飲食の請求額の半分を支払い終わりました。

未だに不思議なのは、詐欺犯人はどうやって日本人の宴会を知ったのか? 未だに謎です。
なお、この店は1年後に閉店しました。

 

 

この様な詐欺被害を防ぐために

 

特にここ数年、日本人が多く集まる地域のレストランや居酒屋等で、大人数の宴会を開く際に被害が起きていて、似た様な詐欺事例の報告が上がっている。中には、店(店員)ぐるみだったり、いわゆるぼったくりのケースもあるが、よくある詐欺のケースでは、犯人は、日本人客らに向けては店員になりすまし、店側には団体客のツアーガイドになりすまして犯行を行うというものだ。

 

客らは酒も入り大人数で盛り上がっている中、ついさっき支払った飲食代金が架空のもので、まさか、詐欺に遭っているなんて誰一人気が付かないのかもしれない。団体でいる安心感、注意分散という団体心理が働いてしまい、誰もが気が付かないということがほとんどであろう。

 

店側も提供したサービスに対する対価はまったく受け取ってないわけだから、当然、正当な料金を受ける権利があるため「では、飲食代金はお支払い頂かなくとも結構です」と、そうは簡単には納得しないであろう。

 

また、団体客に団体の一員かの様に装って詐欺師が何食わぬ顔で混ざっていた場合、店側は誰も詐欺師だと気が付かず、店の人間がわざわざ「あなたは、この団体客の仲間ですか?」などと疑ったり尋ねたりすることは、まず考えられない。

 

客側は、詐欺師に支払った代金と、店側へ払う正当な料金を2重に支払うことになってしまうだけでなく、残念なことに、せっかくの楽しいひと時の宴会の場にサービスを提供してくれた店に対して嫌なイメージを持つだけでなく、せっかく良いサービスを提供してくれた店であるにも関わらず「この店には、2度と行かない」という気持ちはなかなか払拭できないであろう。

 

例え店側が働いた詐欺でなくても、この様な詐欺被害が実際に起きてしまえば、店の信用や客足に大きく響いてくることになってしまうだろう。

 

結局、結果として、客側にとっても店側にとっても、とても残念なことだ。

 

ここで、タイではこの様な日本では考えられない詐欺事例が多くあることを知ってもらい、この様な詐欺被害に遭わない様、サービスを提供する店側(店員ら)も、サービスを受ける客側も、双方で気をつけて過ごして欲しいと思う。一人一人が注意すればこの様な詐欺被害は防げるであろう。