タイにおいても、SNSやスマートフォンの普及により、インターネット上で誹謗中傷に巻き込まれる人が増加しており、タイ在住法律支援事務所では、下記のような問題に対し法律相談を受けることが増えております。
- 掲示板やSNSに誹謗中傷が書かれた。
- 個人が特定できるような、住所や氏名などが晒されてしまった。
- ネットストーカーをされて困っている。
- 「ブラック企業」などといった会社に対する営業妨害の書き込みがされているのを発見した。
- 2ちゃんねるの様な、まとめサイトやブログで根も葉もない情報を拡散された。
上記に該当するような、インターネットで誹謗中傷や風評被害を受けている場合、書き込んだ相手の身元を特定し、書き込んだ人を特定することが可能です。その記事を削除したり、また、法的な手段にて、刑事告訴や損害賠償を請求したりする法的サポートが可能です。
~目次(表示)~
◆誹謗中傷・風評被害とは
◆解決のための3ステップ
1.消去請求
2.発信者情報開示請求
3.損害賠償請求・刑事告訴
◆まとめ
誹謗中傷・風評被害とは
情報が容易に入手・発信できることは便利であり、社会へのアクセスの多様性が確保できる反面、誹謗中傷・風評被害は、不特定多数の人に短時間でその情報が伝わるため、早期発見・早期対策が非常に重要です。
また、誹謗中傷や風評被害の書き込みにはいろいろなタイプがあります。 クチコミなのか、クレームなのか、内部告発なのか、文面だけ見てもよく分からないことが多いのも事実です。 また、掲載情報の削除等を求めるためには、当該情報が個人の権利を違法に侵害していることが必要です。
- 名誉を毀損する情報
- プライバシーを侵害する情報
- 知的財産権を侵害する情報
代表的なものとして上記が挙げられますが、様々な要素を考慮し、違法に侵害しているかどうか判断しなければなりません。 例えば、ある情報が名誉を毀損・侵害している、といえるか、毀損・侵害していたとしてもそれが違法なのか、といった点に関しては、過去からの様々な議論や判例が積み重なってきています。
そのため、削除請求の見通しについては、個人では判断が難しい場合もあります。 削除して欲しい情報がある場合には、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
◆解決のための3ステップ
1.消去請求(送信防止措置依頼、削除仮処分等)
インターネット上の記事は削除しなければ、原則として残り続け、さらにコピーされるおそれがあります。 ウェブフォームやメールアドレスなどの連絡先が表示されている場合もありますが、ウェブサイトによっては連絡先が全く分からないところもあり、どのような対応を取るべきかが分からない場合も多いかと思います。
書き込み被害に遭った被害者から発信者情報開示を求めても、サイト管理者が個人である場合、任意に応じてくれることは非常に難しいでしょう。また、サイトやプロバイダへ削除請求をしたとしても、サイト管理者側もビジネスなため、請求になかなか応じてもらえないケースも存在するようです。
そんな場合でも、弁護士を代理人として削除依頼をすることで、サイト管理者に与えるインパクトが大きく、より早い対応をしてくれます。 記事の削除や発信者情報の開示を強く求めるのであれば、調査を得て、その情報を基に刑事告訴や裁判手続に基づいてそれらを実現する手段を講じる必要があります。
法的に削除請求をする場合には、より迅速な手続きである民事保全法に定められた仮処分の手続きを利用するのが一般的です。
仮処分とは、正式裁判の前に、裁判に勝訴したときと同様の状態を確保することができる手続きです。 仮処分といっても、裁判所が削除命令を発すれば、ほとんどの場合において命令を受けた相手方は削除に応じるため、その後の手続きは不要になります。
万一、相手方が削除に応じない場合には、さらに強制執行の手続きを取ることが可能です。
2.発信者情報開示請求
インターネット上の情報流通は匿名で行われることが多く、誹謗中傷されたとしても、加害者である発信者がどこの誰なのかが分からないのが通常です。 加害者が誰かを特定できないとなると、誹謗中傷を受けた被害者は、損害賠償請求をすることができません。
また、仮に誹謗中傷する書き込みについて、ウェブフォーム等からの削除依頼が認められて削除されたとしても、別サイトや掲示板等に次々と同内容の情報が書き込まれ続けるようなケースも考えられます。 そうなってしまうと、ネット上に掲載された情報を削除するだけでは被害者の損害回復には役立ちません。
そこで、相手を特定する手続きが、発信者情報開示請求であり、
プロバイダ責任制限法4条1項に定められている手続きです。 日本では、プロバイダ責任制限法4条1項により、「開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかなとき」に限って開示請求を認めています。 また、タイでも、政府がインターネットの通信を監視するサイバーセキュリティ法を2019年6月28日に施行しており、、サイバーセキュリティー法に基づいて、日本と同様に情報開示請求が可能です。 該当の書き込みが掲載されているサイトが日本のものなのか、タイのものなのか分からない場合でも、当事務所が特定を行い、法に基づいて情報開示請求の手続きを行います。
【発信者情報開示請求の流れ】
ステップ1
サイト運営者が、どこの国に存在しているか調べる
ステップ2
サイト運営者に投稿者のIPアドレスとタイムスタンプの開示を求める
ステップ3
IPアドレス等から、投稿の際に投稿者が利用したプロバイダを特定する
ステップ4
タイ警察(IT サイバー犯罪捜査部)より、プロバイダに対して契約者の氏名、住所を開示の命令を出してもらう
ステップ5
プロバイダから、契約者の氏名、住所を開示させ、投稿者を特定する
※ 「IPアドレス」とは、ネットワーク上の機器を識別するために割り当てられているナンバーのことをいう。また、「プロパイダ」とは、回線をインターネットと繋げる役割を担う接続事業者のことをいう。
誹謗中傷や風評被害書き込みの投稿者特定のための、発信者情報開示請求に必要な期間は、合計3~5ヶ月くらいの期間が必要となることが多いです。 ただし、実際にかかる期間は、手続において、サイトの運営元がどの国なのか、サイト運営者やプロバイダがどの程度の反論をしてくるか、名誉棄損や侮辱罪に該当することの立証資料を迅速に準備できるかどうかによって大きく異なります。
また、依頼した弁護士が手続きに精通しているかという点も期間の変動に影響します。 早く開示を受けるためには、犯罪行為に該当することの立証資料を迅速に準備し、手続に精通した弁護士に依頼することが重要なポイントです。
3.損害賠償請求・刑事告訴
身元の特定を行うと、誹謗中傷を行った相手に対し、名誉毀損・プライバシー侵害による刑事告訴・損害賠償を請求することが可能です。損害としては、慰謝料および発信者特定のための調査費用、弁護士費用などが該当します。 請求は、書面または対面での交渉によって行われますが、弁護士に交渉の代理人を任せて解決することをお勧めします。また、裁判所を介して損害賠償請求を申し立てることも可能です。 当事務所では、裁判所の書類の作成から、申請手続きまで弁護士が代理人を務めます。 どのような方法が適切かご相談の上対応いたします。
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◆まとめ
風評被害を招く誹謗中傷投稿は、ご自身でも削除要請をすることが可能ですが、法律の専門家である弁護士が検証の上、必要な手続きをとることで、要請に応じてもらえる可能性が高まります。 弁護士に依頼をしていただくことで、IPアドレスの開示請求や発信者情報開示請求など、プロバイダ責任制限法に基づき、悪質な投稿者に関連する者の氏名・住所等を特定でき、損害賠償請求をすることも可能です。
当事務所にご相談頂ければ、該当記事の削除請求、書き込みの特定、そして損害賠償請求、名誉毀損による告訴など、状況に応じて迅速かつ的確な対応をいたします。 まずは一度、タイ在住法律支援事務所にご相談ください。
また、タイ在住法律支援事務所では、「誹謗中傷対策 顧問契約」も行っています。インターネット上にネガティブな記事が多数掲載されている場合や、断続的に誹謗中傷などの書き込みが掲載されている場合、個々に削除や開示のご依頼を受けるとなると、それだけ対応のために手間がかかることになります。
そこで、誹謗中傷対策のために顧問契約を締結させていただくことで、個々のご依頼についての契約締結を省略することが可能です。 企業様はもちろん、個人様からのご依頼にも対応しておりますので、お困りの際は、タイ在住法律支援事務所の「誹謗中傷対策 顧問契約」についても、ぜひ一度ご相談ください。 お見積りは無料です。 顧問弁護士 契約に関する詳細ページはこちら