その警察官は本物 ⁉ 偽警官への対策

パトカー、警察車両、

 

タイでは警察グッズ(警察手帳、警察ヘルメット、警察制服等々)が売っている。しかも、本物。外国人が珍しいお土産ということで買っていくこともあるようだ。タイではこういった制服などを身につけることが、基本的には違法にならない。とはいえ、厳密には身に着けるだけで違法になるグッズもあるそうで、そこは購入する際に確認が必要だ。

 

なぜこんなことを紹介するかというと、

 

タイ警察の格好をした人のパトカーに乗せさせられそうになったという事例が多いからだ。そして、これが本物のタイ警察ではなく、罰金を命令して金をせしめる詐欺のことも多いからだ。

 

 

ある日本人の方が、タイ警察を装う警官に声をかけられたのは、日本人の駐在員の同僚たちと近所のタイ料理屋でお昼を食べた帰りで、バンコク内の勤めている会社の前でだった。目の前に一台のパトカーが止まっており、そのパトカーの傍には、サングラスをかけたタイ警察の制服を着た警官が1人立っていた。かなり怪しかった。

 

「何人(なにじん)だ?中国人か?パスポートを見せなさい。」と、英語で声をかけられた。

 

「パスポートは今、会社の総務に預けているから手元にありません。」と、タイ語で返すも、

 

「外人はパスポートを身につけていないといけない。パスポートを提示できないのであれば、身元を確認するからパトカーに乗りなさい。」と、なぜか英語で返してくる。

 

「うちの会社は直ぐそこなんです。パスポートは総務が持っているから必要なら会社に確認してください。」と、そうタイ語で切り返すも、相手の警察官は変わらず英語で「とにかくパトカーに乗りなさい」と、かなり強引だったという。

 

そこにちょうどタイ人の同僚が通りかかり、その警察官(の格好をした人)に説明してもらった。(そのタイ人が、説明した内容は、さっき言った内容と全く同じだったそうだが)

 

警官?は、「次からはちゃんとパスポート携帯するように。」そう強めに言い残し、パトカーでその警察官は去っていった。

 

一緒にいた日本人男性は、駐在でタイに来て間もない人だったとのことで、タイの事情はよくわからないだろうし、場合によっちゃ、パトカーに乗り込んでたかもしれない。

 

警察の制服、警察手帳、近くにパトカー。この状況で声をかけられたら、たいていの日本人は信用してしまうだろう。本物の警察であれば、パスポートの不所持だけで、そこまで強引ではないだろう。

 

現在でも、警察官を装ったケース別の「罰金詐欺」の報告も多く寄せられている為、警察官と思われる人に声を掛けられた時は、その警察が本物なのか偽物なのかの判断には注意が必要だ。

 

偽警察官対策として、ある程度タイ語か英語が出来る人であれば、その場でその人の警察番号と電話番号を提示してもらい、こちらからしかるべきところに連絡して確認する、という手をとってもいいと思う。

 

もしくは、近くにいる誰かに目撃者になってもらうようお願いする、ということも出来ると思う。

 

タイでは外国人は原則として、パスポート原本を携帯することが義務付けられている。だから、時々、警察官から声をかけられて、パスポートの提示を求められることもある。タイは、現在軍事政権下、テロの発生等で身分確認が厳格になっている。なので、身元確認が取れない場合、最悪身柄を拘束されてしまうこともあるようだ。

 

また、色々と事情があって、パスポート原本を手元に持っていない人もいるかと思うが、パスポートコピーはいつも携帯するようにした方がいいだろう。そして、たとえ警察の格好をしていても、簡単にパトカーには乗らないことだ。