婚姻外のタイ人との間に生まれた子供の親権について

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タイと日本と異なる国籍の両親に生まれた子供について、最もよくあるご質問は、「二重国籍の子供に、国籍を日本に選択させたいのですが、できますか?」 というものです。これにつきましては、お子さんが法的に認知されていることを前提に、両国で認知届けが提出されていおり、お子さんが20歳を超えていれば可能です。

 

しかし、当事務所に法律相談に訪れるのクライアント様の中に、タイ人との内縁関係(婚姻関係なし)の間に生まれたお子さんの親権や国籍のことで悩んでいらっしゃる方が多くいらっしゃいます。

 

子供のパスポートの更新や幼稚園や学校の手続きでタビヤーンが必要になったときに、内縁関係にある相手タイ人の協力がないと、何の手続きもできない。特に、父または、母であるタイ人と関係が切れてしまっていて、日本人が片親で養育している場合、子供のことで相手に連絡をせざる負えず、子供の様々な手続きのために、相手との関係を切るに切れないと言う理由から悩んでおられるのです。

 

ここで、婚姻関係にない(入籍していない)タイ人と日本人の間に生まれた子供の親権の在り方について説明していきます。まず、お子さんが生まれた後に、どんな手続きをしたかによって、後々の親権の在り方も子供の国籍の選択肢も変わってきます。

 

 

どのような手続きがあるのか?

  1. 出産時に病院で父親が父親である署名をする
  2. タイの群役場へ出生届を提出する(片親で届けることも可能)
  3. タイの群役場へ認知届を提出する
  4. 家庭裁判所を通して認知に関する確定判決文を取得(両国への届け出 要)

 


1. 出産時に病院で父親が父親である署名をする

 

まず出産時に、お子さんの父親は病院で、サイン(自身が父親である承認)をした場合につい てですが、病院での父親承認(サイン)は、タイの法律(マーター1546)によって、法的効力をもちませんので「母親だけの単独親権」になります。

 

 

2. タイの群役場へ出生届(สูติบัตร)を提出する

出生後、タイ群役場へ出生届(両親のサイン入り)を提出する場合、父親の病院でのサインによって、お子さんがタイ人とのハーフであることが承認され、病院からの出産証明によってタイの群役場へ出生証明を届け出とともに、タイ人側へのタビヤーンバーンへお子さんの名前を登記することまでを含め、ここまで、男性側(父親)には法的親権はありません。

 

出生届は(สูติบัตร)は、タイ人側の父または母1人で出向いても役場に届け出が可能です。このときの出生届を元にタイ国籍が付与され、)タビヤーンバーンに子供の名前を登記することも可能になり、タイ国籍のパスポートを持つことができます。

 

男性側(父親)に法的親権が無いと記載しましたが、「未入籍で生まれた子の親権は、一部の理由(マーター1566)事項に当てはまらない限り」 というものがあります。マーター1566とは、下記のようなものです。

 

  • 母親が、行方不明である
  • 母親が、歩行が不可能なほどの身体状態である
  • 母親が、精神病患者である
  • 母親に子供を養う金銭または場所がない・・・

 

上記の内容が母親側でクリアされている限りは、女性側(母親)の単独親権になります。これは、お子さんの父親が日本人であってもタイ人であっても同じです。もしくは、母親に上記が認められれば、父親は、裁判所を通して親権請求をすることが可能です。

 

ここまでで注意が必要なのは、認知届(เซ็นรับรองบุตร)と、出生届は(สูติบัตร)は別のものであると言うことです。タイ群役場への出生届の提出より、婚姻外の父が親権を持つことはありません。多くの日本人男性が、このことを勘違いされている場合が多いです。あくまでもタイ側の群役場に届ける出生届で、認知届ではないので、父親に親権を主張する権利はありません。但し、子供から父親に対して、親としての義務を求める権利はあります。

 

では、婚姻外の相手との間に生まれた子供を認知し、父親が親権を獲得するには、どうしたらいいのでしょうか?

 

 

3. タイ群役場へ認知届(เซ็นรับรองบุตร)を提出する

タイ群役場へ認知届(เซ็นรับรองบุตร)を提出した場合は、父母との共同親権になり、父親にも親権が発生します。先ほども述べたように、認知届を提出していない場合は、母親だけの「単独親権」です。そして、タイの群役場への認知届の提出時には、お子さんがタイ語の識字ができる年齢に達していと手続きができません。

 

また、お子さんがタイ語の識字ができる年齢になっていても、役場への認知届(เซ็นรับรองบุตร)の提出については、タイ人側だけでは届け出ることはできないので、必ず両親と子供が3人揃って届け出をする必要があります。これが完了して、初めて父親は親権を持つことになります。日本側への認知届は、日本大使館を通して、タイの群役場の手続き後に行います。

 

 

4. 家庭裁判所の確定判決文を得て認知する

出生した子について父親である男性が認知届を提出する「認知」という手続きがありますが、子供の認知は、子供がまだ読み書きができない低年齢の場合は、家庭裁判所を通して家庭裁判所からの決定確定文書が取得する必要があります。そして、婚姻外のタイ人との間に生まれた子供の父子関係の認知を成立させるには、裁判所の決定確定文書を持って、タイの群役場及び日本大使館で手続きを行います。生まれたばかりの子供や低年齢のお子さんを、父親が認知し、共同親権を獲得するには、このステップを踏む必要があります。

 

 

また、子供や子の母が、認知しない父親に対して家庭裁判所で認知請求の裁判を起こすこともできます。裁判所からDNA鑑定の命令により、タイ政府機関の病院でのDNA鑑定結果を見て親子関係が判断されることが多くなっています。