内容を確認せずにタイ語の契約書にサインをする危険性

 

タイでは色々なビジネスを立ち上げることが容易にできる国ですが、自分でビジネスを立ち上げる時、特にタイ語で書かれた契約書には特に十分な注意が必要です。
 
タイに住むある「日本人男性 Sさん」が自宅に帰宅したら、駐車場に何といきなり警察官が4名も待ち構えていて、Sさんの顔を見るなりタイ語で何かまくし立てられて、その場で身柄が捕獲されてしまいました。

 

そのまま、警察署に連行されて、警察官らに何か分からないタイ語で言われて、そのまま取り調べ調書にサインさせられて牢屋へ。Sさんは何が何だかわからず、また、誰かに助けを求めることも出来ないまま留置されてしまいました。Sさんの携帯電話は没収され、外部と連絡が取れないまま数日間牢獄へ監禁されました。

 

翌日、奥さんがSさんの携帯に連絡しましたが当然繋がりません。一向に帰宅しないので心配になり、Sさんの会社に出向いて尋ねたところ、会社から「もしかしたら警察に捕まったのではないか」と言われ、慌てて最寄りの警察署へ直行しました。そこで「1人の日本人が留置場にいる」と分かり名前を確認したところ自分の主人だったので、Sさんの奥さんはびっくり仰天。

 

警察で判明したのは、Sさんの「共同経営しているパートナーが警察に訴えた」ということです。それなので、会社は最初からSさんが警察に逮捕されたことは知っていたのです。
 
逮捕理由などについては、奥さんは警察の言っていることが一切理解できないので、タイ語ができる日本人の友人へ連絡して、ようやく状況を理解できたものの どうすることも出来ませんでした。
 
容疑の内容は、Sさんが「会社の金を使い込んでいる」という容疑で訴えられ捕まったということが判明しました。直ちに弁護士に相談したところ、すぐに弁護士が警察署へ行って談判しましたが、Sさんが契約書にサインをしてしまっている為、やっていないという証拠は確保できず、結局疑いは晴れません。保釈金を払えば仮釈放されるとのことでしたが、保釈金があまりにも高額でした。保釈金をかき集める為、周囲の友人達に頼み込みました。何とか周囲の支援で保釈金が集まり、無事、保釈金を収めSさんは1週間振りに疲労困ぱいで帰宅しました。
 
この事件の全容はこうです。Sさんは、タイ人実業家と会社を共同経営していました。タイ語が分からない、また英語もおぼつかない為に、請求金額が誤った契約書にサインをしてしまったのです。

 

実際は使い込みではなく、契約した相手会社に不当な高額な金額の支払いをした結果、その見返りとして、契約相手よりコミッションでバックされた現金を受け取っていた、という事実が分かりました。Sさん本人は、意図的ではなく契約相手の会社にいいように騙されていましたが、結果的に、相手から渡される現金に目がくらんで現金を受け取ってしまっていたのです。
 
もともと、パートナーのタイ人実業家とのコミュニケーションが上手く取れておらず、タイ語も読めないのに、理解していない内容の契約書にサインをしたり、そもそもビジネスを開始すること自体が危険な賭けでした。契約書についても、共同経営のパートナーにしっかり内容確認が出来ていれば良かったのですが、それも出来ないままに重要な契約書にサインをしてしまった最悪の結果です。
 
Sさんを騙し取り込んだ契約相手の会社は、事件発覚後にマレーシアに出国してしまって、今だに捕まっていません。また、Sさんは仮保釈中だったので、タイからの出国は出来ずにいましたが、その後、私が貸したお金は戻らず、Sさんは今どこにいるのか…居所が掴めない状況です。

Sの友人より