【タイ人女性の悲しいお話】死後に禍根を残さないようにしておくこと

タイ人女性、タイ人男性、

 

 数年前、会社の元同僚のタイ人男性が癌で亡くなりました。やや複雑な経歴の人で、バンコクに離別した元妻の女性がおり、その元妻の元に娘が1人いましたが、娘は既に成人していました。


そのタイ人男性は、亡くなる数年前から地方に在住し、別の愛する女性と暮らしていました。その相手女性と力を併せ、2人でコツコツ貯めたお金で小さな土地を買い、一生懸命畑を耕しながら2人で生計を立てていました。

 

病で倒れてからは、このタイ人女性が彼を看病し、死の瞬間まで一緒連れ添っていました。

そして、元妻と娘とはこの間、たまに連絡を取る程度の関係だけでした。

 

ところが・・・

亡くなっていざ葬儀、となった途端に、元妻が出てきて、「自分の娘が喪主になる」と主張をし、遺体をバンコクに運ぶと、半ば強引に引き取って葬儀を挙げました。


しかし、それには(元妻に)魂胆があったのです。

 タイでは、タイ人が婚姻届けを提出するケースは極めて少なく、全体の2,3割だと言われています。このタイ人男性も、元妻とも、死を看取った女性とも入籍していませんでした。

ですので、元妻にも、最後まで連れ添った妻にも遺産相続権はなく、元妻の元に居る実の娘に優先権があり、当然喪主になる資格もありました。

 また、男性は社会保険に加入していました。死亡した際にはタイの法律に基づいて、喪主(元妻との間の娘)に数万バーツの葬儀費用補助金が支給されるほか、当然遺族年金も支給されます。更に、遺産として生前の2人(最後まで連れ添った妻と本人)が暮らしていた田舎の土地も手に入ったのです。元妻とは、既に関係が切れて愛情も薄れていましたから死の哀しみより、欲得の方が先に立ったのかもしれません。

 

 

タイ人女性、

 死を看取った女性は、愛する人も失った上に、全てを失いただ哀しみに暮れて、自分の田舎に引き上げて行きました。

 

入籍していれば状況は違っていたかもしれません。

 筆者も、2年前にタイ人の妻を病気で亡くしました。私は入籍していましたので、この男性の家庭のようなトラブルはありませんでしたが、遺産相続や遺族年金の支給を受けるための手続きは結構面倒だな、と感じました。
 

 特に遺産相続は遺産管理人というのを裁判所に認定してもらわなければならず、弁護士に相談して手続きしました。妻の母親を相続財産管理人に認定してもらうよう裁判所に申請し、その後約1ヶ月に渡って新聞に当該資産の管理人をこの人物にする旨公示、この間、誰からも異議申し立てがないことが確認された上で法廷で裁判官から尋問を受け認定書が発行される、という段取りです。

 後は、この認定書を持って当該資産の名義変更手続きに臨むだけですが、申請から名義変更まで3ヶ月近くかかりました。仮に莫大な遺産があって異議申し立てがあったりしたら、もっと面倒なことになっていたでしょう。

愛する人が自分より先に死んでしまうなど考えたくもないことです。

 

しかし、

  • 婚姻の際は入籍する
  • 突然何かあった時の為に遺書をしたためておく(遺産相続を認定しておく)

また、

  • 婚姻生活が破局した場合は、後回しにせず離婚届を提出する
  • その際、子供がいる場合は親権の処遇を明確にしておく

 

死後に禍根を残さないように、上記の手続きや準備をしておくことは決して無駄にはなりません。
死は誰にでも、そして予告なく突然やって来ます。